はじめに、甘くてみずみずしいイチゴを自宅の庭やベランダで育てられたら素敵ですよね。
この記事では、初心者の方でも失敗なく育てられるイチゴの育て方を徹底的に解説します。
家庭菜園の楽しさを実感しながら、日々のお世話で育つ果実の変化を観察できる喜びや、収穫の達成感まで味わえるイチゴ栽培。
育てる楽しさと味わう喜びを、家庭で体験してみましょう。
イチゴ栽培の魅力と家庭で始めるメリット
イチゴを自分で育てる最大の魅力は、完熟の一番おいしい瞬間に収穫できることです。
市販のイチゴは輸送の都合上、完熟前に収穫されることが多いですが、家庭菜園ならその必要はありません。
自分好みの品種を選べるうえ、育てる工程を通して発見や学びも得られます。
また、お子さんと一緒に育てることで食育にもなり、家族の会話も自然と増えます。
我が家では、赤くなるイチゴを逐一子供が報告してくれたりしました。
「僕のイチゴまだ白いね」「まだ白いけど赤くなってきたよ」「もう食べられる?」など
さらに、ベランダなどの限られたスペースでも栽培が可能なため、多くの家庭で手軽に始められる点も人気の理由です。
栽培に適したイチゴの種類と品種選び
イチゴは大きく分けて「一季なり」と「四季なり」の2つのタイプがあります。

一季なり品種は、春に一度にまとまった量を収穫できるのが特徴で、管理が比較的簡単なため初心者にも向いています。
代表的な品種には「とちおとめ」「章姫」「紅ほっぺ」などがあり、甘味と酸味のバランスが取れた風味が魅力です。
一方、四季なり品種は春から秋まで継続的に実をつけるため、長く収穫を楽しみたい方に適しています。
「らくなりイチゴ」や「ドルチェベリー」などは、特に省スペースで育てたい場合におすすめです。
ただし、夏場の高温では花芽がつきにくくなるため、適切な遮光や水分管理が求められます。
品種を選ぶ際は、地域の気候や日照条件、耐病性、果実のサイズや味の好みなども考慮するとよいでしょう。
植え付け準備と土づくりの基本
イチゴの植え付けに最適な時期は、10月から11月の秋口です。
このタイミングで定植すると、冬の間に根をしっかり張り、春に元気な株へと育ちます。
家庭菜園では、畑だけでなくプランターでも十分に育てられます。
イチゴは、水はけが良く、保水性と通気性のバランスが取れた弱酸性の土壌を好みます。
市販の野菜用培養土の使用が手軽でおすすめですが、自分で配合する場合は、赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1の割合が良いでしょう。
また、プランターの底に鉢底石を入れて排水性を高めることも重要です。
7号鉢に1株、60cmプランターに2株が目安です。植え付けの2週間前には石灰を、1週間前には堆肥と元肥を混ぜて、土に栄養をしっかり馴染ませておきましょう。
苗の選び方と正しい植え付け方法
健康な苗を選ぶことが、成功への第一歩です。
葉の色が鮮やかな緑で、クラウン(株の中心部分)がしっかりしており、根がよく張っている苗を選びましょう。
植え付け時には、クラウンが土に埋もれないように浅植えするのがポイントです。
深く植えると腐るリスクが高くなります。
土の表面と同じ高さ、または少し上になるように植えます。
畑で育てる場合は株間を30cm以上あけて風通しを確保し、病害虫の発生を予防します。
プランター栽培では、果実が垂れ下がるように植えると、果実の汚れやナメクジの被害を防ぐことができます。
日常管理と季節ごとの育て方のポイント
イチゴは乾燥に弱いため、水やりは土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと行います。
特に開花期や実が育つ時期は、水分不足に注意が必要です。
ただし、果実が赤くなってから過剰に水を与えると、味が薄まってしまうので注意しましょう。
施肥は、植え付け後1ヶ月、冬越し後の2月〜3月、そして開花時に行うのが基本です。
リン酸やカリウムを多く含んだ肥料がおすすめで、液体肥料を定期的に与えると即効性があります。
マルチング(敷き藁や黒マルチなど)を使えば、土の乾燥や泥はねを防ぎ、病気予防にもなります。

夏場は遮光ネットを、冬場は不織布で保温するなど、季節に応じた工夫も忘れずに行いましょう。
病害虫対策と健康な株の育成

日本は湿度が高いため、うどんこ病や灰色かび病が発生しやすい環境です。
風通しをよくし、枯れ葉や古い葉を早めに取り除くことが予防につながります。
害虫では、アブラムシ、ハダニ、ナメクジなどが代表的です。
収穫直前にアブラムシに食べられたときは本当にショックでした。
ネギやニラといったコンパニオンプランツの活用、粘着トラップやビールトラップの設置など、有機的な方法での防除も効果的です。
どうしても害虫被害がひどい場合は、イチゴ用に登録された農薬を使いましょう。
使用時はラベルの指示を守り、安全に管理してください。
まとめ
イチゴ栽培は、正しい知識と適切な手入れさえ守れば、初心者でも十分に楽しめる家庭菜園の一つです。
完熟したイチゴを自分の手で収穫する喜びは格別で、家族とのコミュニケーションや季節を感じる体験にもつながります。
品種選び、土づくり、日々の管理、病害虫対策までを丁寧に行えば、驚くほどおいしいイチゴを家庭で収穫することができます。
ベランダや小さな庭を活かして、ぜひイチゴ栽培にチャレンジしてみてください。
